生理不順・無月経は早期閉経の前兆かも?食事でできる対策を紹介

生理不順・無月経は早期閉経の前兆かも?食事でできる対策を紹介

女性のかかえる健康課題は企業の生産性に大きく関わっています。

女性の健康課題改善に向けて企業で取り組むことは、不調改善によって従業員の方が健康になるばかりだけでなく、離職率を下げたり、企業の女性活躍推進に繋がるため企業にとってもメリットがあることをご存知でしょうか。

(詳しくは、こちら⇒【健康経営】女性の健康が企業の生産性を上げる意外な関係

今回の記事では女性にとって身近な「生理不順」や「無月経」という症状を放置することの危険性についてです。

これらの症状は早期閉経の前兆、リスクの可能性があります。

閉経はまだまだ先のことだと他人事な特に20代30代の女性従業員が多く在籍している企業様は、是非とも従業員の方に共有いただきたい健康情報となっています。

早期閉経のリスクを下げるための食事についてもご紹介します。

早期閉経とは

早期閉経とは、「早発卵巣不全」の通称です。

通常は、更年期に入ると卵巣の機能が低下をはじめ、閉経が近づくと月経周期が乱れたり、無排卵月経がふえはじめます。

医学的には1年以上月経がない状態が続くと閉経と診断されます。

日本人の平均的な閉経年齢は50.5歳です。

日本産婦人科学会では、43歳未満で排卵機能が止まり無月経となることを「早発卵巣不全」と定めています。

 

早期閉経の原因は??

早期閉経

早期閉経の原因が明らかになるのは全体の10~20%ほどしかないと言われています。

原因として分かっているものは

①遺伝的なもの(染色体異常など)

②自己免疫疾患によるもの(甲状腺疾患、関節リウマチなど)

③医療行為(卵巣の外科手術や放射線治療など)

発症頻度は、「40歳未満で約1%」「30歳未満で約0.1%」。

無月経の人のうち5~10%と言われています。

それ以外の80~90%は原因が明確でないままなのが実情です。

 

早期閉経の前兆を知ろう

早期閉経の早期発見

多くは原因が分からないことから、早期閉経は早期発見も重要になります。

早期閉経を疑うべき症状は

  • 生理不順(生理の間隔が空く、1ヶ月の間に何度も生理がくる)
  • 無月経
  • ほてり・発汗・動悸・不安・イライラ等の更年期症状

これらの症状が出たら、軽視せず婦人科へ受診しましょう。

子宮や卵巣の診察と、ホルモンの分泌状況など総合的に診て判断されます。

妊娠を希望している場合は、AMH検査(エーエムエイチ検査)で残りの卵子の数を調べることで「いつまで妊娠できるのか」の予測も可能です。

 

早期閉経によるリスクは?

  • 自然妊娠の確率激減(通常の4.4%程度と言われています)
  • 更年期障害と同等の症状
  • 高血圧
  • 骨粗鬆症
  • 脂質異常症
  • 心臓病

早期閉経と心疾患リスクに関する研究において、50~51歳で閉経した人にくらべ、それより早く閉経↓女性は、60歳未満で血管疾患(ただし非致死性)の発症リスクが高いという結果がでています。※

 

参考文献

※ Dongshan Zhu, MD 「The Lancet」et al,2019,Age at natural menopause and risk of incident cardiovascular disease: a pooled analysis of individual patient data, VOLUME 4, ISSUE 11, E553-E564, 

 

早期閉経予防に有効な栄養とは?

ほとんどが原因不明の病気ですが、栄養素との関連についての研究も進んでいます。

研究から明らかになっている栄養について紹介します。

ビタミンD・カルシウム

米国の女性疾患に関する大規模研究(NHSⅡ)に登録された女性を対象に行われた調査において、早期閉経予防の可能性があると結論づけられています。

具体的には、

ビタミンの摂取量が最も高い群(528IU/日≒13.2μg/日)は、最も低いグループ(148IU/日≒3.7μg/日)より17%の早期閉経リスク低下

カルシウム摂取量の最も多いグループ(1,246mg/日)は、最も低いグループ(556mg/日)より13%の早期閉経リスクの低下

本研究においては、特に乳類からの摂取での関係性が強く、サプリメントなどではリスク低下は認められなかったそうです。

ビタミンD、カルシウムそれぞれを日本人の食事摂取基準と比較してみましょう。

 

ビタミンD

日本人の食事摂取基準によると、成人女性のビタミンD目安量は8.5μg/日、耐容上限量は100μg/日です。

研究においてビタミンD摂取量がもっとも多かった群は13.2μg/日の摂取量なので、目安量を上回る量です。

令和元国民健康・栄養調査によると、日本人のビタミンDの平均摂取量は6.9㎍であり、不足している人も少なくありませんので、意識的に摂取していきたい栄養素といえます。

魚介類からの摂取はビタミンDの摂取源として非常に重要です。

毎日1回は魚料理をメインとした食事を摂るようにしましょう。

ほかににもきのこ類、卵も比較的摂取しやすく、牛乳やチーズなどの乳類からも若干摂取できます。

食品のビタミンD含有量日本食品成分表2020年版(八訂)

カルシウム

日本人の食事摂取基準によると、成人女性のカルシウムの推奨量は650mg/日、耐容上限量は2500mg/日。

令和元年国民健康・栄養調査におけるカルシウムの一般食品からの1日の摂取量は504.9㎎です。

カルシウムの摂取も不足している人が多いミネラルの1つです。

女性は閉経後の骨粗鬆症予防としても積極的な摂取が進められていますが、早期閉経との関連可能性も濃厚として、ますます不足しないよう意識したいですね。

乳製品以外からは、小魚、海藻、豆類、野菜などからの摂取が期待できます。

食品のカルシウム含有量

日本食品成分表2020年版(八訂)

参考文献

「The American Journal of Clinical Nutrition」(2017 105: 6 1493-1501) Vitamin D and calcium intake and risk of early menopause

 

植物性たんぱく質

早期閉経と植物性たんぱく質の関連については、米国マサチューセッツ大学とハーバード大学の疫学チームの研究で明らかになりました。

1989年に25-42歳だった女性116,000人のデータを分析&20年に及ぶ追跡期間中に、2,041名の女性が早発閉経となった参加者のデータ解析から、長期に渡って、植物性たんぱく質を多くとっていた女性は早発閉経のリスクが16%低い結果が出ています

植物性タンパク質は、大豆製品だけでなく全粒穀物からも多くはないが摂取できます。

具体的にいうと、1日のたんぱく質摂取源のうち、半分以上を植物性タンパ質から摂取できると、当研究における「植物性たんぱく質を多く摂った」といえそうです。

(※推定エネルギー必要量18~29歳女性1700kcal、たんぱく質推奨量50g、摂取エネルギーのうち6.5%を植物性たんぱく質から摂取している人は早発閉経リスクが59%低い、をもとに算出)

植物性食品のたんぱく質含有量

日本食品成分表2020年版(八訂) より

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参考文献

サン・クロレラ 研究サイト 野菜や穀物の植物性たんぱく質が早発閉経を予防する!?

 

健康経営で生産性を上げるために

健康な女性

 

女性のかかえる健康課題は企業の生産性に大きく関わっています。

(詳しくはこちら⇒【健康経営】女性の健康が企業の生産性を上げる意外な関係

女性の健康課題改善に向けて企業で取り組むことは、不調改善によって従業員の方が健康になるばかりだけでなく、離職率を下げたり、企業の女性活躍推進に繋がるため企業にとってもメリットがあります。

女性の健康課題に関しての取り組み事例はこちらをご覧ください。

しかし、働く女性の健康推進に関する実態調査※によると、女性特有の健康課題に対しての認知度が低く、「月経関連の症状や疾病」「PMS(月経前症候群)」は、「会社を休む程ではないが、仕事の能率が落ちる」と考える人が 30%程度もいるのが現状です。

そのため、企業から情報を発信して健康に働ける従業員の方を増やしていきませんか。

株式会社Lanlanでは管理栄養士による健康経営コンサルティングを実施しております。

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